FacebookのLibraのホワイトペーパーを見出し毎に解釈

暗号資産

何かと話題が多いFacebookの暗号通貨「Libra」のホワイトペーパーを見出し毎に解釈し、見解をさらりと述べます。今後とも話題になること間違いなしのプロジェクトなので、トライする次第です。
なお、Libraについて調べるのはこれが初めてですし、最近忙しくて関連Twitterやニュースを見ていなかったので、読み進めていく毎に態度が変わっていく可能性があります笑。ホワイトペーパー自体は簡潔に記載されている印象なので、そこまで時間は掛からないことでしょう。Libraに関する知識が初見の人間の生の解釈(思考の垂れ流し)をご期待ください・・・

【参考・引用】

Libraホワイトペーパー | ブロックチェーン、協会、リザーブ
Libraホワイトペーパーでは、Libraブロックチェーン、Libraリザーブ、Libra協会についての詳細をお読みいただけます。

1.はじめに

Libraのミッションは「多くの人びとに力を与える、シンプルで国境のないグローバルな通貨と金融インフラになる」ことです。

Libraのホワイトペーパーの冒頭にある文言です。コンセプトを最も端的に記載したものであり、この暗号通貨のミッションと言えるでしょう。この文言の中で最も際立った言葉が「金融インフラになる」というものです。Facebookは一企業でありながら、このLibraをもってして「金融インフラ」を構築する目論見なのですから、その力の入れようがわかります。

このドキュメントでは、新しい分散型ブロックチェーン、価格変動率が小さい暗号通貨、およびスマートコントラクトに関して、私たちのプランの概要をお話しします。これらを組み合わせて、責任ある金融サービスイノベーションを実現する新しい機会の創出を目指します。

この文言によれば、

  • ブロックチェーンを使用
  • 価格変動率が小さいステーブルコイン
  • スマートコントラクトを盛り込む

という3点がLibraの柱であることがわかります。
ブロックチェーンを使用することによりセキュリティを担保し、何かしらの裏付けとなる資産によりステーブルコインを実現、単なる決済手段としてではなくスマートコントラクトを盛り込むことにより、それ以上の付加価値を生み出すといった目論見でしょうか。
同時に「責任ある金融サービスイノベーション」という文言からは、国際的な法規制等にしっかりと対応し、各国金融機関や関連会社等と連携して行く様が連想させられます。

背景にある問題

インターネットの登場とモバイルブロードバンド接続の普及により、世界中の多くの人びとがあらゆる知識や情報に アクセスし、高品質な通信を利用し、安価で便利な多種多様のサービスを享受できるようになりました。$40程度の スマートフォンがあれば、これらのサービスに世界中のほぼどこからでもアクセスできます1。このような接続により、 より多くの人びとがファイナンシャルエコシステムにアクセスできるようになり、経済的エンパワーメントが促進さ れ ま し た 。さ ら に 、テ ク ノ ロ ジ ー 企 業 と 金 融 機 関 が 協 力 し て 、世 界 中 で 経 済 的 エ ン パ ワ ー メ ン ト を 高 め る た め の ソリューションを見つけてきました。一方で、世界の人口のかなりの部分がこの流れから取り残されています。世界中で 17億人の成人が従来の銀行を利用できず、金融システムの外にいます。10億人が携帯電話を持ち、約5億人がイン ターネットにアクセスできるにもかかわらずです2。

一翻訳者としては直したい部分が多々あるという印象をもってしまいました笑。まあ、それはいいとして、最初の問題提起は
「便利で格安に情報をやりとりできる時代にも関わらず、およそ世界人口の三分の一が銀行にアクセスできず、金融システムへのアクセスに難がある」
ということです。
これについては、昔からある問題ながら未だに中々解決されず、円滑でセキュアな個人間の資金の循環が未だ実現できずにいるということでしょう。これに対する解決策に、Libraがなりえるということでしょうか。

多くの人びとにとって、金融システムを構成しているサービスは、まるでインターネット以前の通信ネットワークのように 感じられます。20年前、ヨーロッパでテキストメッセージを送信する場合の平均価格は1件あたり16セントでした3。今や、 スマートフォンを持つ人は、基本のデータプランを使って世界中の誰とでも無料で通信できます。当時、通信価格は 高額ですが一律でした。一方、今日、金融サービスへのアクセスは、それを最も必要としている人びとにとって、コスト、 信頼性、そしてシームレスな送金能力の影響を受ける形で制限または規制されています。

前文の補足的な情報です。今や誰でもスマートフォン等を通じて通信できるにもかかわらず、伝統的な金融システムにはアクセスできないまたは制限されている人々が何と多いということか、と言ったところでしょう。

世界中で、貧しい人ほど金融サービスを受けるのにより多くのお金を払っているのが現状です。一生懸命働いて得た収 入は送金や借越やATMの手数料に消えていきます。米国の給料日ローンでは年利が400%以上、100ドル借りるための 手数料が30ドルにものぼります4。既存の金融システムからはじき出されている人にその理由を尋ねると、「口座を 持たない」人びとは十分な資金がないこと、手数料が高額なことや予測できないこと、銀行までの距離、必要書類を 用意できないことなどを挙げます5。

伝統的な金融機関の手数料の明らかな高額さに関して記載している文言です。また、手続き面としても非常に煩雑であり、貧しくお金が本当に必要な人ほど相対的に金融サービスが扱いにくいというものです。

ブロックチェーンと暗号通貨は、一部のアクセシビリティや信頼性の問題に対処できる可能性を秘めた固有の特性を いくつか持っています。その中でも、分散型ガバナンスはひとつの機関がネットワークを制御できないようにし、オープ ン型アクセスはインターネットに接続している人なら誰でも参加できるようにし、暗号化によるセキュリティは資金の 保全性を保ちます。

ブロックチェーンと暗号通貨の特徴を述べた部分です。分散ガバナンスにより伝統的な金融機関における様な中央集権制を排除して単一障害点をなくし、今まで信頼性がないがために金融機関を使用できなかった人々でもアクセスできるようにし、かつ、暗号技術によりその資産を保護するといった趣旨でしょう。

それにもかかわらず、既存のブロックチェーンシステムはまだ主流として受け入れられていません。既存のブロック チェーンや暗号通貨は、価格の乱高下やスケーラビリティの欠如が妨げになり、現在のところ価値の保存手段や交換媒体として円滑に機能せず、市場での利用が広まっていません。なかには、マネーロンダリング防止の有効性を 向上させるためのコンプライアンスや規制を改革する取り組みとは対照的に、既存のシステムを混乱させ規制を 回避することを狙っているプロジェクトもあります。私たちは、持続可能で安全かつ信頼できるフレームワークを 基盤として、この新しいシステムを構築するようにする唯一の方法は、さまざまな業界の規制団体や専門家を含む 金融セクターとの協力とイノベーションであると確信しています。そしてこのアプローチは、現在よりもさらに低コストで、 アクセスしやすく、互いにつながったグローバル金融システムの実現に向けて、大きな飛躍をもたらすことができます。

現在のブロックチェーンや暗号通貨は世間から受け入れられておらず問題があると言った文言です。Libraを実現するにあたっては、様々な業界の規制団体や専門家を含む金融セクターと協力しイノベーションを創出することが重要であり、現在よりも低コストかつ誰でもアクセスできるようになるとのことです。
この文章で重要な点は「規制や既存企業との協力がなければ持続的かつ安全なシステムの構築できない」とほぼ結論付けている点です。つまり、比較を簡単にするのであれば、ビットコインが「中央集権機関に頼ることから脱却した決済手段の確立」に対しLibraは「各重要機関に頼った決済手段の確立」と言えるでしょう。従って、中央集権制が強まってしまうことは免れないと断定できます。

Libraが生み出す機会

共にこの取り組みを始めるにあたり、皆さんに私たちの考えをお伝えし、このイニシアティブから生み出したいコミュニティやエコシステムの方向性を定めたいと思います。

  • もっと多くの人が金融サービスや安価な資本を利用できるようにする必要がある、と私たちは考えます。
  • 人には合法的な労働の成果を自分でコントロールする生まれながらの権利がある、と私たちは考えます。
  • グローバルに、オープンに、瞬時に、かつ低コストで資金を移動できるようになれば、世界中で多大な経済機会が生まれ、商取引が増える、と私たちは考えます。
  • 人びとは次第に分散型ガバナンスを信頼するようになる、と私たちは考えます。
  • グローバル通貨と金融インフラは公共財としてデザインされ統治されるべきである、と私たちは考えます。
  • 私たちには全体として、金融包摂を推進し、倫理的な行為者を支援し、エコシステムを絶え間なく擁護する責任がある、と私たちは考えます。

Libraを実現することによる期待や方向性を列挙したものです。更に簡潔にして列挙するのであれば、

  • 金融サービスへのアクセス性の向上
  • 自己資産のコントロール性の向上
  • 分散型ガバナンスへの信頼性の向上
  • グローバルな低コスト取引による資産流動化の向上
  • パブリックかつ安全な交換手段の確立
  • Libraを取り巻く倫理的なエコシステムの確立と存続

と言えるでしょう。この中で印象的な文言は5つ目の「公共財としてデザイン」といったものです。単なる一企業の利益を追求する目的はなく、Libraを実現することにより公の役にたつという趣旨が目標として掲げられています。また、6つ目の「金融包括を推進」といった文言は、規制当局や関連金融団体を取り巻き、大きなコンソーシアムを構築していくことが連想されます。影響度として、単一国家レベルを遥かに超えたものを想定したものでしょう。

ここまでがLibraの概要ですが、ビットコインの様なパブリックチェーンではなく、Facebookを中心に金融関連団体と連携した、超巨大なコンソーシアム型のプライベートチェーンを構築していくことが予測されます。そして、その目的は単なる企業の利益追求ではなく、各国規制団体や当局との折衝や連携を見越した、「公共財」としての役割を担おうとしていることがわかりました。これはとてつもない労力と交渉時間が必要そうですね。。。少なくともある国でLibraを使用するにあたっては、その国ごとに交渉し、チャネルを広げていくということなのでしょうね。

2.Libraについて

世界は間違いなく信頼性の高いデジタル通貨とインフラを必要としています。組み合わせて「インターネット・オブ・ マネー」を実現できるようなものが求められています。

インターネットオブマネーとはその言葉通り、お金の流通経路のデジタル化という事でしょう。インターネットオブシングス(IOT)は最近流行りの言葉であり、物と物をインターネットで繋ぐという概念ですが、こちらは、

お金をインターネットで繋ぐ = 世界的なデジタル通貨の実現

という趣旨があることがわかります。

モバイルデバイスでの金融資産確保は、シンプルかつ直感的でなければなりません。テキストメッセージの送信や 写真のシェアと同じくらい簡単かつコスト効率良く、より安全に、また住んでいる場所や職業、所得にかかわらず、 世界のどこにでも送金できることが求められます。製品のイノベーションやエコシステムへの参入が増えれば、すべての 人にとって資本へのアクセスとコストのハードルが下がり、より多くの人が円滑に支払いを行えるようになります。

スマートフォン等の携帯端末における金融資産の運用は可能な限り簡単である事が求められるという文言の趣旨です。それ以前に、キャッシュレス化が殆ど進んでいない日本ではなかなか手痛い文言ですね笑。果たしてSUICAやPASMOを使用できていない方々が、Libraを使用できるかと言うと誰もが疑問を抱くことでしょう。もっとも、そこまで視野に入れてはいないと思いますが・・・

今こそブロックチェーン技術を基に新しいデジタル通貨を開発するときです。Libraのミッションは「多くの人びとに力を与える、シンプルで国境のないグローバルな通貨と金融インフラになる」ことです。Libraは以下の3つのパートからなり、それらが互いに機能し合って、いっそうの金融包摂を実現します。

  1. 安全でスケーラブルで信頼性の高いブロックチェーンを基盤とする
  2. 実態価値を付与するための資産のリザーブを裏付けとする
  3. エコシステムの発展を目指す独立したLibra協会がLibraを運営する

このホワイトペーパーの前文にあった、「多くの人びとに力を与える、シンプルで国境のないグローバルな通貨と金融インフラになる」という文言がでてきました。ブロックチェーンの利用、裏付けとなる資産リザーブ、Libra協会による管理、がこのプロジェクトの柱である事が良くわかります。

Libra 通貨の基盤は「Libraブロックチェーン」です。全世界のオーディエンスに対応することを意図しているため、 Libra ブロックチェーンを実装するソフトウェアはオープンソースです。つまり、これをベースに誰もが開発を行うこと ができ、多くの人びとがこれを利用して金融ニーズを満たせるようになっています。オープンで相互利用可能な多種多様の金融サービスからなるエコシステムを想像してみてください。開発者や組織が開発するこれらのサービスは、 個人やビジネスがLibraの所有や移動に日常的に利用できます。スマートフォンやワイヤレスデータ通信の普及に伴い、 ますます多くの人びとがこれらの新しいサービスを通じてオンラインでLibraにアクセスできるようになるでしょう。 Libraエコシステムでいずれこのビジョンを実現するために、スケーラビリティ、セキュリティ、ストレージとスループットの効率性、そして将来の適応性を優先して、専用のブロックチェーンが一から開発されました。Libraブロックチェーンの概要についてはこの続きやこちらの技術文書をお読みください。

Libraブロックチェーンはオープンソースであり、ブロックチェーンの基本的な事項が述べられている箇所です。既にgithubを確認しても様々な方から多くのissueやpull requestが挙げられており、その対応だけでも結構時間が掛かりそうですね笑。それがオープンソースの良い所でありつつ、Facebook発という由縁もあり、野次馬が参加してあまり生産性のないissueが挙げられてしまうと言う事態にもなっているようにも思われます。

通貨の単位は「Libra」です。Libraは多くの場所で取り扱われ、簡単に利用できる通貨になることを目指しています。そのためにはLibraが便利で、長期的にも価値が比較的安定した通貨として信頼を得る必要があります。多くの暗号通貨とは異なり、Libraには実在する資産のリザーブによる確実な裏付けがあります。生み出されるすべてのLibraに対してLibraリザーブで銀行預金や短期国債のバスケットを保有し、Libraの実態価値への信頼を築きます。 Libraリザーブは、長期的にLibraの価値を維持することを目的に運用されます。Libraおよびリザーブの概要についてはこの続きをお読みください。また、詳細はこちらをお読みください。

通貨の単位は「Libra」とのこと。てんびん座が由来なのでしょうね。
天秤というとその選別する特性から、何かしらに大して「裁き」をくだすという印象を受けますが、このプロジェクトにおいて最終的に裁きを下す様な権限があるものはLibra協会になるのでしょうか。個人的には天秤はDecentralizedを謳うプロジェクトには似つかわしくないと思ってしまいましたが、実際の由来が気になるところです。

そして、Libraの特性の中でも最も重要なものの内として、銀行預金や短期国債のバスケットをリザーブとして保有し、Libraの価値を裏付けするとのことです。この時点でLibraの競合する相手はビットコインの様なものというよりは、Tether(USDT)やその他の法定通貨担保型のステーブルコインだと言えるでしょう。中央集権的である一方で、そのありあまる資金力や超巨大コンソーシアムをもって価格や流通を安定させるという感じなのでしょうね。

なお、上記文言の最後のリンク先にあるリザーブについての情報も大変重要なものです。Libra協会はLibraの発行機関であり、その管理運営主体であると同時に、リザーブを低コストの投資先に再投資する運用主体でもあります。ユーザー等から集められたリザーブの利益はまず第一に、Libra協会に帰属し、もし今後多くの利益等が出た場合にのみ、ユーザー等に還元されることとされています。Libra協会を中心とした試みであるため、それを保護するのはプロジェクトの成功上大変重要である一方、やはり大きな中央集権性を抱く結果となることは明らかでしょう。

そして、リザーブについてのページには「非許可型への移行」についてのリンクが記載されていました。最初は許可型としてローンチするものの、目論見としては5年以内に非許可型へ移行して中央集権制を排除するとのことです。ただし問題点は非常に多いようであり、ガバナンス方法やメカニズムの構築等、今後早急に解決していく事は必須になるでしょう。そもそも、ローンチ事態を各国で簡単に認めてもらえるか・・・はまた別の話かもしれませんが。

Libra協会は、独立・非営利・メンバー制の組織で、スイスのジュネーブに本部を置きます。この協会の目的は、Libra ネットワークとリザーブのガバナンスの枠組みを提供し調整すること、および金融包摂を促す社会的事業の助成金 活動を支援することです。このホワイトペーパーは、協会のミッション、ビジョン、活動を反映するものです。協会の メンバーは、Libraブロックチェーンを運用するバリデータノードのネットワークから形成されます。

Libra協会の立ち位置を示す文言です。このプロジェクトの最も大きな肝であり、この協会が正常に機能しない場合または欠陥がある場合、その信頼性が大きく揺らぎ、直ぐに崩壊してしまいかねません。Libraを投資対象としてみる場合、この協会の動向も非常に気になる事でしょう。

Libra協会のメンバーは、さまざまな地域に拠点を置く多様な企業、非営利組織や多国間組織、学術機関などで 構成されます。初期メンバーとして協力して協会の設立趣意書をまとめ、完成後に「創立者」となる組織は以下の とおりです(業界別)。

  • 決済: Mastercard, PayPal, PayU (Naspers’ fintech arm), Stripe, Visa
  • テクノロジー・マーケットプレイス: Booking Holdings, eBay, Facebook/Calibra, Farfetch, Lyft, Mercado Pago, Spotify AB, Uber Technologies, Inc.
  • 電気通信: Iliad, Vodafone Group
  • ブロックチェーン: Anchorage, Bison Trails, Coinbase, Inc., Xapo Holdings Limited
  • ベンチャーキャピタル: Andreessen Horowitz, Breakthrough Initiatives, Ribbit Capital, Thrive Capital, Union Square Ventures
  • 非営利組織、多国間組織、学術機関: Creative Destruction Lab, Kiva, Mercy Corps, Women’s World Bankin

Libra協会のメンバーは、2020年前半に予定されている運用開始により、およそ100に増える見込みです。

Libra協会の創立者たるメンバーを紹介する箇所です。Mastercard、VISA、Paypal、Uber等、誰もが知る企業が顔を連ねています。決済方面をまず固めたようですが、今後、プロジェクトの進捗に伴い、メンバーを随時増やしていくことで、2020年前半には100程度の企業群となる予定とのことです。この中に日本の企業は入ってくるのでしょうか。。

Facebookチームは、他の創立者と協力してLibra協会およびLibraブロックチェーンを生み出すうえで重要な役割を果たしました。最終的な意思決定の権限は協会にありますが、Facebookは2019年の残りの期間も引き続き指導的な役割を果たしていくでしょう。Facebookは、ソーシャルデータと財務データの分離を保証することと、Facebookの 代わりにLibraネットワークをベースにしたサービスを開発・運営することを目的として、「Calibra」という規制対象子会社を設立しました。

FacebookとLibraの独立性を保ち、Facebookが保有しているようなソーシャルデータは分離すると述べている文章です。今後、どこまで独立性が保たれるかは定かではありませんが、少なくとも2019年以降もFacebookの人間が主導してLibra協会を動かしていくことは確実でしょう。Facebookに個人情報も金銭も握られてしまうのではないかと危惧されてしまう方も多いと考えられるため、普及に当たって、Facebookサイドは飽きるほどこの点を説明することでしょう。

Libraネットワークの運用開始後は、Facebookとその関連会社の責任や、特権、財務上の義務は他の創立者と 同等になります。協会のガバナンスにおけるFacebookの役割も、協会のいちメンバーとして、他の多くのメンバーの 役割と等しくなります。

ネットワーク立ち上げ後のFacebookの立ち位置を述べています。協会運営に際しての権限はあくまで他創立社と同等になる事を強く主張しています。

ブロックチェーンは、バリデータノードとして参加する能力の有無に応じて、許可型または非許可型に分けられます。 「許可型ブロックチェーン」では、アクセスが許可されるとバリデータノードを運営できます。「非許可型ブロックチェ ーン」では、技術的要件を満たす人なら誰でもバリデータノードを運営できます。Libraは「許可型」ブロックチェーンとしてスタートします。

Libraは許可型ブロックチェーンをスタートする旨の説明です。

Libraがオープンで常にユーザーの利益のために運用されることを保証するため、私たちはLibraネットワークを完全に 「非許可型」にするという目標を掲げています。課題は、現在のところ、非許可型のネットワークを通じて世界中で 数十億の人びとと彼らの取引をサポートするのに必要なスケールと安定性とセキュリティを提供できる実績の あるソリューションがないという点です。協会の使命のひとつは、Libraブロックチェーンとエコシステムの公開から5年以内にこの移行を開始できるよう、コミュニティと連携して調査と移行の実施を進めることです。

前の文章でも少し触れましたが、許可型から非許可型へは5年以内に移行する旨を示しています。許可型でユースケースや実績、使用への信頼を構築したうえで、非許可型に徐々に移行していくという趣旨でしょう。

Libraの精神に不可欠なLibraブロックチェーンは、許可型か非許可型かにかかわらず、消費者、開発者、企業を はじめ、誰にでもオープンなものとして維持されます。誰もがLibraネットワークを利用し、その上に製品を構築し、 サービスを通して付加価値を生むことができます。オープンアクセスにより、参入と革新への障壁は確実に取り除かれ、 消費者に利益をもたらす健全な競争が促進されます。その根底には、包摂的な金融サービスの選択肢をグローバルな 規模で構築するという目標があります。

Libraのブロックチェーン自体は許可・非許可を問わずアクセスできる旨が述べられています。既にアクセスを検討し始めている開発者も数多くいる事でしょう。手っ取り早くプロジェクトをスタートさせるうえでは、規制の緩い開発途上国等から手を付けていくのも一案なのでしょうね。現に、アメリカ政府は現在既に開発停止を求める等、先を見越した手を打ってきています。Facebookの様な大企業に既成事実を知らぬ間に作られ、自国に知らされていない様な状態で物事を進めてほしくないという意向なのでしょうね。もともとFacebook社は大規模なユーザー情報漏洩問題等も起こしていることから、今回の措置もうなずける展開です笑。

3.Libraブロックチェーン

Libraブロックチェーンの目標は、多くの人びとの日々のファイナンシャルニーズを満たすような新しいグローバル通貨をはじめとするさまざまな金融サービスのための、強固な基盤を提供することです。既存の選択肢を評価する過程で、 私たちは以下の3つの要件に基づき新しいブロックチェーンを開発することを決めました。

  • 数十億のアカウントに対応できるスケーラビリティ。特に、高い取引スループット、低遅延性、効率的で容量の大きいストレージシステムが必要
  • 堅固なセキュリティ。資金や財務情報の安全を確保するため。
  • 柔軟性。Libraエコシステムのガバナンスを可能にすると共に、金融サービスのさらなるイノベーションを可能にするため。

大規模コンソーシアム型のブロックチェーンを作成していくうえでの3要件といったところでしょうか。実現したとすれば利用者数は世界最大規模となり得るのは間違いないため、最初の設計が大変肝心になってきますね。

Libraブロックチェーンは、これらの要件に総合的に応えるために一からデザインされ、既存のプロジェクトや調査研究から得られた知見を取り入れています。革新的なアプローチと十分に理解の進んだ技術を組み合わせて生み 出されたのです。次のセクションでは、Libraブロックチェーンに関する3つの決定について詳しく取り上げます。

  1. プログラミング言語「Move」をデザインし、使用する
  2. ビザンチン・フォールト・トレランス(BFT)合意アプローチを使用する
  3. 広く採用されているブロックチェーンデータ構造を採用する

Facebookにより作成された言語や「Hack」や「Skip」等がありますが、Libraにおいても新しい言語「Move」を使用するという点が印象的です。ブロックチェーン構築のために作成された言語として恐らく最も有名かつ成功したもののうちの一つに、イーサリアムの共同創立者であるGavin woodが開発した「Solidity」が挙げられますが、Moveは果たして成功することが出来るのでしょうか。

「Move」は、Libraブロックチェーンに独自の取引ロジックや「スマートコントラクト」を実装するための新しいプログラミング言語です。いずれ多くの人びとにサービスを提供するというLibraの目標を達成するため、Moveは安全とセキュリティを最優先に設計されています。Moveは、これまでにスマートコントラクトに関連して起きたセキュリティの問題を分析して、作者の意図を実現するコードをより簡単に書けるようにする言語を作り出し、意図しない不具合やセキュリティ問題の発生リスクを抑えます。具体的には、Moveは資産がコピーされるのを防ぐようデザインされています。「リソースタイプ」を有効にして、デジタル資産に物理的な資産と同じ制約を持たせるようにします。つまり、リソースの所有者を1人、使用回数は1回に限定し、新しいリソースの作成を制限することが可能になります。Move言語 では、支払い取引では支払人と受取人の口座残高のみが変更されるなど、取引が特定の条件を満たすことを自動で証明することも容易にできます。これらの機能を優先することで、MoveはLibraブロックチェーンの安全を確保します。重要な取引コードの開発を容易にすることで、MoveはLibra通貨やバリデータノードネットワークの管理など、Libraエコシステムのガバナンスポリシーを安全に実施できるようにします。MoveはLibraブロックチェーンプロトコルとそれをベースに開発される金融イノベーションの進化を加速させます。Moveの進化と検証を支援するため、開発者がコントラクトを作成するための機能を徐々に利用できるようにしていきます。

  • 資産のコピーを防ぐようにデザイン
  • リソースの所有者を1人、使用回数は1回に限定

と言ったように、セキュリティ対策に特化した言語の様です。例えばSolidityは2016年に発生したThe Daoというハッキング事件の一因ともなったと言われた事もありますし、最も重視する点である事は間違いない事でしょう。

取引の実行と実行される順序についてすべてのバリデータノードによる合意を容易にするため、LibraブロックチェーンではLibraBFT合意プロトコルを使用したBFTアプローチを採用しました。このアプローチはネットワークへの信頼を築くものです。なぜなら、BTF合意プロトコルは、一部のバリデータノード(最大でネットワークの3分の1)で不正や不具合が起きても正常に機能するようにデザインされているからです。また、このクラスの合意プロトコルは、 他のブロックチェーンで使われている「プルーフ・オブ・ワーク」よりも高い取引スループット、低遅延性、エネルギー効率の良い合意形成アプローチを可能にします。

バリデータノードを使用した合意プロトコルを実施するとの事です。引っかかる点としては、こういったコンソーシアム型のチェーンであれば比較するべきは他のコンソーシアム型チェーンであり、なぜ「プルーフ・オブ・ワーク」と比較しているかはよく分かりませんでした。取引のスループットの向上や低レイテンシとなりえるのは、中央集権的である事に基づいて発揮される能力ですしね。

取引情報を安全に保存するため、Libraブロックチェーンのデータはマークル木によって保護されます。マークル木は既存データへの変更を検出できるデータ構造で、他のブロックチェーンでも使用されています。ブロックチェーンを取引のブロックの集合体とみなす既存のブロックチェーンとは異なり、Libraブロックチェーンは取引の履歴と経時的な状況を記録する単一のデータ構造をとります。これにより、ブロックチェーンにアクセスするアプリケーションの動作を簡略化できるため、任意のデータを任意の時点から読み、統一されたフレームワークを使用してそのデータの完全性を検証することができます。

  • 取引履歴と経時的な状況を記録する単一のデータ構造

もう少し調べないとよくわかりませんね笑。これだけ抜き出してみると「ブロック」のチェーンではないようにも思えてしまいます。

Libraブロックチェーンには匿名性があり、ユーザーは実世界の本人とリンクされていない1つ以上のアドレスを保有することができます。このアプローチは多くのユーザー、開発者、規制当局にとってなじみのあるものです。Libra協会はLibraブロックチェーンプロトコルとネットワークの進化を監督し、また、実用性、スケーラビリティ、規制影響などを考慮しつつブロックチェーンのプライバシーを強化する新しい技術の評価に継続的に取り組んでいきます。

  • ユーザーは実世界の本人とリンクされていない1つ以上のアドレスを保有

KYCの観点からどのように上記の状態が有効化されるのかが焦点となりそうです。仮に誰にも捜査できないような完全な匿名性が担保されるのであれば、ほとんどの国で使用が規制されるか使用できなくなってしまう可能性もあるでしょう。

Libraブロックチェーンについて、詳しくはこちらの技術文書をお読みください。Moveプログラミング言語および LibraBFT合意プロトコルに関する詳細情報もご覧いただけます。協会はごく初期の段階のLibraテストネットを付属ドキュメントと共にオープンソース化しました。テストネットは現在も開発中でAPIは変更される可能性があります。私たちはコミュニティに開かれたプロセスをお約束しており、ドキュメントの閲覧や、開発、フィードバックの提供を歓迎しています。

Moveについては少し興味があるので時間があるときに触ってみるとしましょうかね。仮にこの試みが成功すれば日本の暗号資産界隈からもLibra協会とかで働く方が増えてもおかしくないでしょう。

4.Libra通貨とリザーブ

今世界には、デジタルネイティブで、かつ安定性、低インフレーション性、グローバル規模の普及と交換性といった優れた特徴を備えたグローバル通貨が必要だと私たちは考えます。Libra通貨は、このようなグローバルなニーズを満たし、世界中の人にとってお金がより良く機能することを目指して設計されています。

ノマド的な観点からすれば世界共通通貨が本当に実現するならば実現した方が「利便性」としては良いに決まっています。二度と使用しないような国のコインを保有していても実質的な価値はありませんし、汚い、重い、偽造等のリスクを多分に有しています。しかし、各国の動向に頼っていてはそれが実現できないのは明らか。じゃあ、Facebookが中心となって進めてやろうといったところでしょうか。

Libraは、「Libraリザーブ」と呼ばれる実在の資産のリザーブによる十分な裏付けと、Libraを売買する取引所の競争力のあるネットワークによるサポートを有する、安定性のあるデジタル暗号通貨としてデザインされています。つまりLibraの保有者は、自分が持つデジタル通貨を交換レートに基づいて法定通貨に交換できることが高い水準で保証されます。海外旅行時の外貨両替とまったく同じです。新しい通貨への信頼を醸成し広く受け入れられるようにするため、過去に他の通貨が導入されたときも同様のアプローチが取られています。例えば国が発行する紙幣は、金などの物理的な資産と交換できることが保証されていました。ただしLibraの場合は、金による裏付けではなく、安定性と信頼性のある中央銀行が発行する通貨での銀行預金や短期国債など、価格変動率の低い資産の集合体により裏付けられます。

つまりLibraとは各国の中央銀行が発行する通貨、短期国債等により価値が裏付けされた電子マネーの様なものなのでしょう。ただし、「自分が持つデジタル通貨を交換レートに基づいて法定通貨に交換できることが高い水準で保証されます。」との文言からは、確定的に交換できない場合があるのでしょう。そして交換時の手数料は恐らくLibra協会等に行くことになると思われるので、なかなか収益性の高いビジネスになりそうですね。

ここで、1 Libraを必ずしも任意の地域通貨で同じ金額に交換できるとは限らないことを強調したいと思います。これは、Libraが単一の通貨に固定されていないためです。裏付けとなっている資産の価値が変動するのに合わせて、任意の地域通貨に対する1 Libraの価値も変動することがあります。しかし、リザーブ資産は価格変動率を最小限に抑えて長期にわたって価値を維持することを目的に選択されているため、Libra所有者にはこの通貨の安定性を信頼できます。Libraリザーブの資産は、地理的に分散しており投資適格信用格付けを有する管理者からなるグローバルネットワークによって保有されるため、資産のセキュリティと分散性が共に保証されます。

各地域に分散する事により紛争リスクやデフォルトリスクを防ぐことが出来るのは明らかでしょう。特に政情が安定しない国等で生活している人にとっては、自国通貨を保有するよりも、Libraを保有していた方がリスクは明らかに減少します。

実態価値を欠き、それゆえに投機目的で価格が乱高下する既存の多くの暗号通貨とLibraが大きく異なるのは、Libraを裏付けるそのような資産です。とはいえLibraは暗号通貨であり、そのおかげで、この種の新しいデジタル通貨の魅力となっているいくつかの特徴を継承しています。瞬時に送金できる機能、暗号化によるセキュリティ、簡単に国境を越えて資金を移動できる自由などです。友達が世界のどこにいても携帯電話でメッセージを送信できるのと同じように、Libraを利用すれば、瞬時に、簡単に、安価でお金を送れるようになります。

他の暗号資産との大きな違いとして、Libraは各国資産の裏付けがある事を示しています。つまり、各ユーザーは自国通貨でLibraを購入し、それを各国で使用できるようになるという事ですね。これは、各国の中央銀行を信用するかLibra協会を中心としたコンソーシアムを信用するかの違いであり、元々ビットコインが中央機関からの脱却を目指していたのとは全く違う方向性ですが、試してみる価値はあるのではないかと思います。試すだけなら自由ですし、仮に成功した場合はそれも一つの結論と言えるのでしょう。

リザーブ資産に付与される利子はシステムの経費をまかなうために使用します。これにより低額の取引手数料を保証し、エコシステム立ち上げのために資金を提供してくれた投資家(「Libra協会」については こちら」を参照)に配当を支払い、さらなる普及と成長を後押しします。リザーブに対する利子の分配ルールは事前に設定し、Libra協会が運用を監督します。Libraのユーザーはリザーブからの利益を受け取りません。

リザーブに関するポリシーやLibra通貨の詳細については、 こちらをお読みください。

リザーブ資産の利子についてはLibraの手数料と初期投資家への配当に使用するとのことです。初期投資家へのインセンティブにはなることでしょうね。

5.Libra協会

「多くの人びとに力を与える、シンプルで国境のないグローバルな通貨と金融インフラになる」というLibraのミッションを実現するために、LibraブロックチェーンとLibraリザーブには、多様で独立したメンバーからなる運営組織が必要です。この運営組織となるのが「Libra協会」です。独立・非営利・メンバー制の組織で、スイスのジュネーブに本部を置きます。スイスは歴史的に中立的でブロックチェーン技術にも寛容です。協会は中立で国際的な機関であることを目指しており、それゆえスイスでの登録を選択しました。協会の主な仕事は、Libraブロックチェーンの運用を促進すること、ネットワークの推進・発展・拡大を目指す利害関係者(ネットワークのバリデータノード)間での協調と合意形成を促進すること、リザーブを管理することです。

永世中立国のスイスに本部を置く非営利団体であるLibra協会の主な仕事としては

  • バリデータノード間の協調と合意形成の促進
  • リザーブの管理

の2つがあるようです。先にふれたように、長期的にはパーミッションレスを目指すとのことなので、前者の役割は徐々に失われていくことでしょう。一方で、リザーブの管理等については恒久的に継続する必要があるのでしょうね。

協会はLibra協会評議会によって運営され、評議会は各バリデータノードの代表1名によって構成されます。評議員は協力してネットワークとリザーブのガバナンスに関する意思決定を行います。初期の評議会は創立者によって形成され、ここには世界各地の企業、非営利組織、多国間組織、学術機関が含まれます。決定事項はすべて評議会にかけられ、重大なポリシー上の決定や技術的な決定には票数の3分の2の合意を必要とします。これはネットワークのBTF合意プロトコルで必要とされる圧倒的多数の条件にならうものです。

重要な決定には票数の3分の2を必要とするような決定等は正に今までの伝統的な意思決定と同様ですね。ある企業に与するものが多くなったりするのが今後ない事を祈るのみです。創立メンバーとして代表的な企業・団体は以下の様なものが挙げられます。

    • Masterカード(決済)
    • Visaカード(決済)
    • Facebook(テクノロジー)
    • Uber(テクノロジー)
    • ebay(マーケットプレイス)
    • vodafone(通信)
    • Coinbase(ブロックチェーン)
    • ANDREESSEN HOROWITZ(ベンチャーキャピタル

協会を通じて、バリデータノードはネットワークの技術的ロードマップや開発目標に沿って足並みを揃えていきます。その意味で、協会は、財団などの形をとってオープンソースプロジェクトを運営管理する他の非営利組織と同様の働きをします。Libraはオープンソースコントリビューターからなる分散型コミュニティの成長によって発展するため、協会は、どのプロトコルや仕様を開発し採用するかなどのガイダンスを確立するのに必要な媒体です。

協会の権限としてはプロトコル種別や仕様の決定が挙げられるようです。大規模コンソーシアムをまとめ上げるには必要な機能ですね。

Libra協会はLibraリザーブの管理組織としても機能します。これにより、Libra経済の安定性と成長が達成されます。協会はLibraを作成(鋳造)および破壊(バーン)できる唯一の存在です。コインを鋳造するのは、認定再販業者が、新しいコインを完全に裏付ける法定通貨の資産と引き換えに協会からコインを購入した場合に限ります。コインをバーンするのは、認定再販業者が、裏付けとなっている資産と引き換えに協会にLibraコインを販売する場合に限ります。認定再販業者はいつでもバスケットの価値と同等の価格でリザーブにLibraコインを売ることができるため、Libraリザーブは「最後の買い手」として機能します。 協会のこれらの活動は、 リザーブ運用ポリシー によって規定、制約され、このポリシーの変更は協会メンバーの圧倒的多数によってのみ変更可能です。

どうやら「認定再販業者」がユーザーとLibraの仲介をするらしく、認定再販業者がLibra協会からコインを購入する事によりLibraが作成され、ユーザーは認定再販業者からそのLibraを購入すると言った流れになるようです。こうなってくると、ユーザーとしては仲介手数料がどの程度のものか気になるところですね。恐らく認定再販業者ごとに異なると考えられますが、認定再販業者側も例えば「Libraを購入したら当社で使用できるポイントを付与」等の形で競争してくることも考えられます。そうなってくると、既存のポイントサイトを使用して何かしらの商品を購入したりするのと仕組み自体は変わらなくなりそうです。個人的には、そう言った仲介は可能な限り避けてもらいたいものですね。仕組みが複雑になりますし、人々が考える暇も増えてしまうので。

ネットワークの運用開始から最初の数年は、協会の代わりにいくつかの役割を果たす必要があります。バリデータノードとなる創立者の募集、エコシステム立ち上げに向けた資金の調達、Libraの利用を促進するインセンティブプログラムの企画と実施、創立者に対するこのようなインセンティブの分配、協会の社会的事業への助成金提供プログラムの確立などです。

協会のもうひとつの目標は、オープンなIDの規格を開発し、推進することです。私たちは、金融包摂と競争の前提条件として、分散型でポータブルなデジタルIDが必要であると考えます。

分散型でポータブルなデジタルIDとは先にあったような「個人情報とは紐づけがない」ものになるのかが気になるところです。協会は結構行う事が多そうですね笑

Libra協会の重要な目的のひとつは、徐々に分散性強化に向けて移行することです。この分散性により、ネットワークをベースにした開発とネットワーク利用の両方について参入のハードルが下がり、Libraエコシステムの長期的な回復力が高まります。これまで述べたように、協会はLibraネットワークのガバナンスと合意を非許可型に移行するための道筋をつけていきます。協会の目標は、5年以内にこの移行を開始し、それにより創立者への依存度を徐々に減らしていくことです。同様に、Libraリザーブの管理についても、協会への依存度を最小限にすることを目指します。

Libra協会について、詳しくは こちらをお読みください。

Libraエコシステムが長期的にはパーミッションレス型に移行する旨が記載されています。5年以内とのことですが、まだ実際にLibraが使用されてもおらず、各国で認可が取れてもいない状況であるため、これは現実的ではないかと思われます。また、リザーブの管理自体は今後必須になると思われますが、協会への依存度を少なくするというのはこのペーパーのみからだと具体的には分かりませんね。

6.Libraの今後

この度、Libraに関する目標を概説するこのドキュメント、および協会とLibraに関するすべての情報のホームとなる libra.org を公開します。これは今後数か月にわたって更新され続けます。また、 Libraブロックチェーンのコード をオープンソース化し、Libraの初期テストネットを公開して、開発者が試用や開発を行えるようにします。

2020年前半に予定されている運用開始までにしなければならないことはまだ多く残っています。

2020年前半の運用開始にしては始動が遅かったような気がしますね。あらかじめ各国当局等との調整済みであればそれも可能性はあったかもしれませんが、どうやらそうではない様子。最近でもアメリカがLibraの是非について過敏に反応しています。現実的なのは寛容な発展途上国からスタートする事でしょうか。先進国の場合、Libraを受け入れる前に多大な審査等が必要になる可能性が非常に大きいため、短い期間で認可等を取るのは不可能に近い事でしょう。

Libraブロックチェーン:

  • 今後数か月の間に、協会はコミュニティと協力してLibraブロックチェーンのプロトタイプに関するフィードバックを収集し、それをリリース可能な状態にします。具体的には、プロトコルのセキュリティ、パフォーマンス、スケーラビリティと実装を確実にすることに力を注ぎます。
  • 利用者がLibraブロックチェーンを利用できるように、しっかり文書化したAPIとライブラリを構築します。
  • オープンソースの手法を使い、Libraブロックチェーンの背後のテクノロジーを共同開発するためのフレー ムワークを用意します。ブロックチェーンをサポートするプロトコルやソフトウェアに対する変更について 議論やレビューを行うための手順を定めます。
  • ブロックチェーンを詳細にテストします。プロトコルのテストから、ウォレットサービスや取引所などの エンティティと連携したネットワークのフルスケールテストの構築までを幅広く行い、システムが正常に機能していることをリリース前に確認します。
  • Move言語の開発を推進し、言語開発が安定したら、Libraエコシステムのリリース後にサードパーティがスマートコントラクトを作成するための道筋をつけます。
  • コミュニティと連携して、非許可型のエコシステムに移行する際の技術的な課題を研究し、リリース後5年以内に移行を始めるという目標を達成できるようにします。

とりあえずそれっぽいもの作ったから、あとは皆も協力してくれよな!って感じですね笑。少々これから進める事が多すぎる気がしますが、Facebookなら大丈夫?なのでしょうか。少しでもセキュリティに疑義があれば即座に狙われること間違いなしであるため、細心の注意を払って2020年前半までに実装を頑張っていただきたいものです。

リザーブ:

  • 地理的に分散しており調整された管理者からなるリザーブのグローバル管理機関を設立します。
  • リザーブが認定再販業者と取引し、高い透明性と可監査性を保証するための運用手順を確立します。
  • リザーブバスケットの構成を変更する方法に関するポリシーと手順を定めます。

上記の説明については今までと変わったところはありませんね。リザーブと認定再販業者との取引についても誰からでも見れるようになるのでしょうかね。

Libra協会:

  • Libra協会評議会を、およそ100の、地理的にさまざまな場所に位置する多様なメンバーへと拡大します。 メンバーはすべてLibraブロックチェーンの最初のバリデータノードとして機能します。
  • 現在提案されているガバナンス体制に基づいて協会の総合的な設立趣意書と規 約を定め、採択します。
  • 協会のマネージングディレクターを擁立し、協力して協会の組織運営チームの採用を続けていきます。
  • 共同でミッションに取り組む社会的事業パートナーを特定し、協力して社会的事業の諮問機関とプログラムを設立します。

創立メンバーには日本の企業は含まれていませんでしたが、100の地域に広めるのであれば間違いなくどこかしらの企業が参入を表明する事でしょう。

7.参加の方法

協会は、Libraのグローバルな利用を促進するアプリやサービスの開発者のエコシステムを活性化させたいと考えます。協会が定義する成功とは、世界中のあらゆる個人やビジネスが公正で手頃な方法で、かつ即座に自分の資金にアクセスできるようになることです。例えば、海外で働く人が祖国の家族に簡単に送金できる。大学生がコーヒーを買うのと同じくらい簡単に家賃を払える。これらを実現できたら成功と言えます。

私たちの旅は始まったばかりで、コミュニティからのサポートが必要になります。世界中の多くの人びとのために、Libraができることがあると信じていただける場合は、ぜひこの取り組みにご協力ください。すべての人にとっての金融包摂(ファイナンシャルインクルージョン)を実現するため、ぜひご意見をお寄せください。

  • 研究者やプロトコル開発者の方は、Apache 2.0オープンソースライセンスにより、Libraテストネットや付属ドキュ メントをご覧いただけます。今はまだプロセスの初期段階で、テストネットもまだ開発中のプロトタイプですが、 ドキュメントを読むことや開発、フィードバックの提供は今すぐにでも始められます。現在はプロトタイプの安定化に重点を置いているため、プロジェクトがコミュニティからの貢献を反映するまでに時間がかかる可能性があります。しかし私たちは、コミュニティ指向の開発プロセスを構築し、開発者にプラットフォームを公開することをお約束します。これはリクエストを受け付けるところから始めて、できるだけ早く実現させる予定です。
  • Libra協会について知りたい方は、こちらで詳細をご覧ください。
  • 創立者になることやLibra協会からの社会的事業への助成金の申請に興味をお持ちの組織の場合は、こちらで詳細をご覧ください。

協会は、今後数か月のうちにグローバルコミュニティと連携した取り組みを開始します。また、ミッションの推進のため、今後も世界各地の政策立案者と協力関係を築いていきます。

将来性を感じると思う方は積極的に参加すればよいと思いますが、まずはLibra協会から各国政府・政策立案者等への協調が第一でしょう。それがなければ完全にプロジェクトが水の泡になる可能性も否めません。もしその点の心配が必要なくなるのであれば、興味を示して協力する方は爆発的に増える事でしょう。とりあえず日本で即導入は不可能でしょうがね。

8.まとめ

Libraの目標は、「セキュアで安定性のあるオープンソースブロックチェーンを基に生み出され、実在する資産のリザーブによって裏付けられ、独立した協会によって運営される安定した通貨」です。

私たちの望みは、住んでいる場所や職業、所得にかかわらず、より多くの人が安価でオープンなより良い金融サービスにアクセスできるようにすることです。これを実現するための道のりは長く、厳しく、私たちだけではたどり着けないものです。多くの人の力を集め、この取り組みを中心に大きなムーブメントを生み出す必要があります。世界中の人にとっての夢を実現する取り組みに、ぜひご参加ください。

総括として、Libraは超大規模型のコンソーシアム型チェーンであり、今後はパーミッションレス型に移行する可能性のあるというものでした。その性質からビットコインの様なパブリックチェーンとは全く異なり、比較する事が大きな間違いでしょう。今後の展望としては、Libraが決済手段として各国に認可されるために、どの様に調整を進めて行くかが焦点となります。裏を返せば、この交渉が上手く行くようであればLibraは一つの決済手段として使用される可能性は大いにあると思われます。
一方で、そう簡単に各国中央銀行等がある企業が「世界中央銀行」のようになることを認めるものとは考えにくく、先進国を中心としてこの取り組みは大きく阻害されるという予想をしてみたいと思います。
それでは実現可能性はどこにあるか?ですが、これはやはり規制が緩く、自国経済も多少危ぶまれるような発展途上国でしょう。条件としては民ならず官までが自国の中央銀行の存在を良く思っていないことが挙げられます。そういった国でユースケースを作り実験を行い、すそ野から広げていく方が、需要としても大きいものがあるものと考えられます。
Libraに対する風当たりは今後もさらに強くなる事でしょうが、取り組みを行ったこと自体は評価したいですね。少し長くなった気がしますが、あまり深く考えずに思考を垂れ流した結果となります笑

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