日本では馴染みのある「仮想通貨」という言葉が、金融庁主幹の研究会で「暗号資産」という言葉に変更されうることに関しては、以下の投稿でも考察しました。

しかし、日本だけを見ていてもそれが世界的になじみのある一般的に使用されている言葉なのかは全く分かりません(その呼び方が正しいかどうかは別として)。
そこで、今回の投稿では、暗号資産(crypto asset)、暗号通貨(crypto currency)、仮想通貨(virtual currency)が各国でどの程度使用されているかを、以下グーグルトレンドにより調査してみました。
※直近データでなければ「暗号資産」が入らなくなるため、期間は2018年6月1日~2018年11月31日としています。また、漢字で検索した場合、日本の結果しか得られなくなってしまうため、それぞれcrypto asset、crypto currency、virtual currencyの英語表記で検索しました。
1. 全体の傾向
「暗号通貨」がトレンドとしては圧倒的に多いですが、その傾向は徐々に減少していき、「暗号資産」や「仮想通貨」とのトレンド差が縮まっていることが分かります。
しかし、このデータのみをもって即座に、「暗号通貨」が他の言葉に逆転されてしまうかと言うと、そうとは言えない程度の推移です。
青:暗号資産、赤:暗号通貨、黄:仮想通貨
それでは、これらの言葉がどの国で主に検索されているか調べてみましょう。
思わぬ結果がでるかもしれませんね・・・
2. 「暗号資産」の検索割合が高い国
これは予想外の結果となりました!
何と、「暗号資産」の検索割合はマレーシアが1位です!
最新のトレンドに敏感そうなイギリス、カナダ、アメリカ等が上位に来ると思いきや、東南アジアの雄であるマレーシアが先手を取っています。
マレーシアでこれだけ検索割合があるなら、お隣のシンガポールもあるだろう・・・
と考えられるところですが、そうではなかったようです。
※青色が「暗号資産」の検索割合
3. 「暗号通貨」の検索割合が高い国
これもある意味予想外でした笑
「暗号通貨」の検索割合はアフリカ勢や各島国が独占です。これはそもそも「暗号通貨」という言葉しか伝わっていない可能性がありますね。また、基本的にヨーロッパの国々はこの名称で検索しているようです。
※赤色が「暗号通貨」の検索割合
4. 「仮想通貨」の検索割合が高い国
これはある意味想定内の結果でした。
「仮想通貨」の検索割合が1位なのは日本です。
そして、それに東南アジア等のアジアの国々が続く結果となっています。日本は法制度として仮想通貨法を定めたのが世界的にも早かったため、各アジア国が率先してそれを真似した可能性もありますね。
※黄色が「仮想通貨」の検索割合
5. おわりに
こちらの結果はいかがだったでしょうか?
個人的には、なかなか興味深いものでした!
特に、
「仮想通貨」というワードの検索割合が最も高いのが日本だった
という結果が出て、まあそうだろうなと言う感じです。
ただし、こちらの調査の大きな欠点として、各ワードを全て英語で検索してしまっている点があります。例えば、日本語で各ワードを比較してみると、2018年12月時点では
仮想通貨:暗号通貨:暗号資産 = 99:1:0
という極端な割合になってしまいます(どれだけ仮想通貨と言うワードが日本で一般的に普及しているかよくわかる結果ですね)。従って、各国に対し各国の言語で適用したトレンドを作成した場合、元々英語圏以外の国に関しては、上記のグラフの結果とは全く別物となってしまうでしょう。
ただし、各国で英語を使用して検索できる方と言うのはそれなりの影響力を持つ可能性が高いため、一定程度有用な情報とは言えます。
今後は恐らくG20等の傾向から、英語であれば「crypto asset」が上昇してくると思われますが、この地域格差がどう変化していくかも、今後注目していきたいところです。
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